「せんべい布団が腰痛にイイ」と言われる理由と、その裏に潜むデメリットについて紹介します。
腰痛対策に「せんべい布団が良い」という話を耳にしたことはないでしょうか。
しかし硬い布団で寝るよりも、柔らかい布団で寝たほうが腰に良さそうなイメージを持っている人も多く、一体どうすれば良いのか分からないですよね。
そこで今回は、なぜせんべい布団が腰痛に良いと言われているのか、腰痛対策に効果的なマットレスランキングなどを紹介していきます。
この記事を読めば、睡眠で腰痛対策を取れるようになり、毎日を生き生きとしたものに変えられるので、腰痛に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
せんべい布団とは
まず「せんべい布団」についてですが、これは長年使い続けることで布団の柔らかさが損なわれ、固くなったもののことを言います。
買ったばかりの布団はある程度柔らかく、沈み込みがありますが、毎日使っていくうちに「ヘタリ」が生じて厚みがなくなり、固くなっていきますよね。
「床で寝るよりはマシ」くらいの布団のことを「せんべい布団」と呼ぶことが多いようです。
せんべい布団のメリットは3つ
せんべい布団が持つメリットは、主に以下の3つです。
- 正しい寝姿勢を維持できる
- 体が沈み込まないから「寝返りを打ちやすい」
- 価格が比較的安い
それぞれ詳しく説明していきます。
1. 正しい寝姿勢を維持できる
正しい寝姿勢を保ちやすいことです。
せんべい布団は、腰や背中に沈み込みにくいため、背骨のS字カーブを保ちやすくなります。
これにより、腰や肩への負担が軽減され、痛みの改善が期待できます。
2. 体が沈み込まないから「寝返りを打ちやすい」
ではそのせんべい布団がなぜ腰痛に良いという意見があるのか、それは「寝返りを打ちやすいから」です。
私達は寝ている間に何度も寝返りを打つことで、体にかかった負担をリセットし、阻害された血流やリンパなどを戻しています。
柔らかすぎる布団やマットレスだと、体が沈み込んで上手く寝返りを打てず、特に沈み込みが激しい腰の負担が増える=腰痛が悪化するわけです。
せんべい布団はほぼ体が沈み込まないので、寝返りの打ちやすさは抜群。
ただし硬いので、肩や腰といった負担がかかりやすい部位に疲労が蓄積しやすいですし、実際に血流阻害による痺れを感じて目が覚める人も多いでしょう。
3. 価格が比較的安い
せんべい布団の原型となる薄くて硬めの軽量敷布団は、比較的安価で購入することができます。
概ね価格帯は3,000円から15,000円程度です。
長年使用してきた敷き布団を買い替えたい場合でも、気軽に検討することができます。
せんべい布団を使うデメリットは2つ
「腰痛に良いから」という理由でせんべい布団を使い続ける人も少なくありませんが、正直あまりおすすめはできません。
その理由は次の2つです。
- 体圧分散性が極めて低いため、体への負担が大きい
- そもそも買い換えられない
それぞれ詳しくみていきましょう。
せんべい布団で理想的な寝姿勢を得ることはできない
睡眠の質を高めるためには布団やマットレスの「体圧分散性」が重要になります。
体圧分散性とは名前のとおり「寝ている間にかかる体への負担をどれだけ効率よく分散させられるか」のこと。
体を適度に包み込むことで肩や腰、背中、頭、首…と全身のあらゆる部位にかかる、寝ている間の負担を軽減する効果があります。
試しに床に直接寝っ転がるのと、布団やマットレスに寝っ転がるのを比べてみてください。
同じ時間横になっていても、硬い床の方が圧倒的に早く痛みや痺れを感じるでしょう。
同様の理由で、せんべい布団は背中、腰、肩といった「出っ張っている部分」に大きな圧力がかかるため、頻繁に寝返りを打たないと血行不良や痛み、筋肉の緊張などが起こることになります。
人によってはせんべい布団など硬い睡眠環境で腰痛が悪化する可能性もあるので注意してください。
また「ぐっすりと寝たはずなのに、妙に疲れが残っている」といった人は、睡眠中に何度も何度も寝返りを打つことで余計なエネルギーを消費し、睡眠が浅くなっている可能性が高いです。
これらのことから、せんべい布団が腰痛対策にベストな選択肢とは言えませんね。
せんべい布団は買い換えられない
長年の使用によって作り出されたせんべい布団は、良く言えば「オーダーメイドで生まれた自分だけの布団」と言えます。
長く使い続けているからこそ生まれた固さ・寝心地であり、買い換えようと思ってもすぐに同様のものが見つかるわけではありません。
仮にせんべい布団に大量のカビが生えてしまったとしても「替えが効かないから…」と同じ布団を使い続けるのは衛生上問題ですよね。
今使っている寝具が「せんべい布団化」しているのなら、これを機に新しい布団やマットレスを購入するチャンスだと考えましょう。
腰痛に効果的なマットレスを選ぶ3つのポイント
腰痛を改善・解消するのに効果的なマットレスは次の3つのポイントを意識して選ぶようにしましょう。
- 高反発力のマットレス
- 使われている素材
- 形状やサイズ
それぞれ詳しく紹介していきます。
腰痛対策なら高反発力マットレスが第一選択に
腰痛対策で最重要視すべきなのが「反発力」です。
マットレスは高反発と低反発の2種類に分類されていて、それぞれ特徴が異なりますが、腰痛に良いとされるのは高反発力マットレスになります。
名前のとおり反発力が高く、程よい固さで体が沈み込みすぎず、かつ寝返りを打ちやすいので腰への負担を大きく軽減できるのが主な理由になります。
低反発マットレスはとても優れた体圧分散性を持っているのですが、体が沈み込みすぎて寝返りを打つのが難しく、同じ姿勢のまま寝続けることでかえって腰痛が悪化するケースも。
関連記事:高反発マットレスと低反発マットレスの違いって?どっちがあなたに合うのか特徴を徹底比較
商品によりますが、反発力をN(ニュートン)という値で表示しているので、これを1つの目安にして選ぶのがおすすめ。
目安としては
〜75N |
柔らかい |
---|---|
75〜110N |
普通 |
110N〜 |
硬い |
となります。
腰痛対策にマットレスを購入するなら110N以上の反発力を持った商品を選ぶようにするのが良いですね。
素材で反発力や耐久性、使い心地が変わる
高反発力マットレスで使われている主な素材は次の4つになります。
- 高反発ウレタン
- ファイバー
- ラテックス
- コイルスプリング
それぞれの特徴、メリット・デメリットをみてみましょう。
高反発ウレタン
腰痛対策向けの高反発マットレスで最も使われているのが高反発ウレタンです。
価格が手頃で、1枚で使えるタイプや今使っている布団やベッドに重ねて使うタイプ、三つ折りタイプなどニーズに合わせた豊富なラインナップが揃っているのが特徴です。
また耐久性に優れた素材なので、1度購入すれば長く使い続けられるのもポイントになります。
ただし通気性が良くないので、夏場は熱や湿気がこもりやすく、敷きパッドなどで上手く工夫する必要があります。
ファイバー
樹脂の繊維が絡み合ったような構造で、優れた高反発力が特徴です。
商品によって異なりますが、中にはかなり硬いものもあるため「せんべい布団くらいの固さが無いと落ち着かない」といった人にもピッタリ。
またウレタンなどとは異なり、丸洗いOKな商品が多いので汚れが気になったときにシャワーでさっと洗い流せ、衛生的に使えるのが他にはない大きなメリットになっています。
ただし価格が高い傾向があるので、ある程度お金を出しても大丈夫、という人でないとなかなか手を出しにくいかもしれません。
ラテックス
主にヨーロッパ圏内で人気の高い高反発素材で、ゴムの木から取れる樹液を原料としています。
ふわふわとした柔らかさがあるのに優れた高反発を発揮してくれるため腰痛対策にピッタリ。
寝具性能は非常に高いのですが、通気性の悪さ、重量の重さ、そして価格の高さがネックとなります。
また日本ではあまりラテックスマットレスが流通していないので、商品の選択肢が少ないのもデメリットと言えるでしょう。
コイルスプリング
マットレス全体に複数のバネ(コイルスプリング)を並べることで優れた反発力を生み出す商品です。
安定感・体圧分散に優れていますし、コイルならではの耐久性の高さも魅力的。
また一般的なマットレスタイプになるので、豊富な商品の中から自分に合うものを選べるのも嬉しいですね。
ただしコイルスプリングは当たり外れが激しいこと、上記した素材と比べて取り扱いが限定的なこと(基本的にベッドにセットする以外の選択肢がない)などがデメリットとして挙げられます。
関連記事:マットレス素材6種類の特徴・メリット・デメリットを分かりやすく解説
形状やサイズをチェックして使い勝手の良いものを選ぶ
マットレスは目的に合わせて様々な形状・サイズが用意されています。
1人で寝るならシングルサイズ、夫婦でゆったり寝るならクイーンやキングサイズ…といった具合です。
また今使っている寝具に重ねて使うのか、購入したマットレスを単体で使うのか。
寝室だけでなくリビングのお昼寝や車中泊などでも使いたい人は三つ折りタイプなど取り回しの良いものを選ぶと良いですね。
腰痛対策におすすめのマットレスランキングおすすめ5選
上記した選ぶポイントを考慮した上で、腰痛対策におすすめのマットレスを5つ、ランキング形式で紹介していきます。
どのマットレスを購入しようか悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
第5位:コアラマットレス
寝心地の良さを徹底的に追求した高級マットレスです。
3層構造になっていて、1層目が柔らかく、2層目が反発力高め、そして3層目がしっかりと体を支えます。
これにより、寝心地はふんわり柔らかいのに、寝返りをスムーズに打てる、低反発と高反発の両方のメリットが生まれるため、腰痛に悩む人はもちろん、睡眠の質を改善したい人にピッタリ。
なお反発力を表すニュートンは次のようになっています。
第1層 |
70N |
---|---|
第2層 |
120N |
第3層 |
200N |
さらに10年間の品質保証、120日間のお試し期間とサポート体制も万全なので、1度購入すれば長く使い続けられるのも嬉しいポイントですね。
ただし価格はなかなか高めになっているので、誰でも気軽に買えるマットレスとは言いにくい点がネックとなっています。
シングル(幅97cm) |
72,000円(税込) |
---|---|
セミダブル(幅120cm) |
82,000円(税込) |
ダブル(幅140cm) |
92,000円(税込) |
クイーン(幅160cm) |
102,000円(税込) |
保証期間 |
10年間 |
お試し期間 |
120日間 |
第4位:APトーマス(エイプマンパッド)
高密度APPU硬質フォームによってしっかりと体を支え、高反発を発揮する腰痛対策にピッタリのマットレスです。
ニュートン値は166Nとかなり高くなっているので、寝返りを簡単に打てて、睡眠時の痺れや痛みをしっかりと解消してくれます。
また丸洗いOKの素材なので、汗、ホコリ、ダニ、カビなど気になる汚れをすぐにシャワーで洗い流せて、衛生的に使い続けられるのも大きなポイントです。
フィット重視の表、反発力重視の裏とリバーシブルタイプになっているので、これ1枚で2パターンの寝心地を楽しめるのも他には無いメリットになります。
エイプマンパッドは保証あり(お試し期間90日間)、保証無しの2種類が用意されているので、初めて買う人は「保証あり」を、リピートする人は「保証なし」を選ぶのがおすすめです。
▼エイプマンパッド5(厚さ5cm)
シングル(幅95cm) |
9,988円(税込)、返品あり12,650円(税込) |
---|---|
セミダブル(幅115cm) |
11,710円(税込)、返品あり15,730円(税込) |
ダブル(幅135cm) |
13,750円(税込)、返品あり18,700円(税込) |
▼エイプマンパッド307(厚さ7cm)
シングル(幅95cm) |
13,750円(税込)、返品あり17,050円(税込) |
---|---|
セミダブル(幅115cm) |
16,280円(税込)、返品あり20,350円(税込) |
ダブル(幅135cm) |
18,920円(税込)、返品あり23,870円(税込) |
▼エイプマンパッド9(厚さ9cm)
シングル(幅95cm) |
14,850円(税込)、返品あり18,700円(税込) |
---|---|
セミダブル(幅115cm) |
17,270円(税込)、返品あり21,450円(税込) |
ダブル(幅135cm) |
19,800円(税込)、返品あり25,300円(税込) |
▼エイプマンパッド310(厚さ10cm)
シングル(幅95cm) |
15,950円(税込)、返品あり20,130円(税込) |
---|---|
セミダブル(幅115cm) |
19,140円(税込)、返品あり24,200円(税込) |
ダブル(幅135cm) |
22,407円(税込)、返品あり28,600円(税込) |
※全商品お試し期間・保証期間は90日間。
第3位:エアウィーヴ スマートZ01
マットレスの中でも特に知名度が高いエアウィーヴシリーズから、三つ折りタイプで使い勝手抜群なのがスマートZ01です。
ファイバー素材で作られたマットレスなので非常に反発力が高く、寝心地もしっかりと硬さを感じられるタイプになります。
医療や介護・福祉の現場でも大活躍しているエアウィーヴですので、その実力や実績は折り紙付き。
腰痛に悩む人にピッタリのマットレスになっています。
エアウィーヴは丸洗いOKの素材なので汚れが気になったらすぐにシャワーで洗えますし、ハウスダストがほとんど出ないのでアレルギーに悩む人にもgood。
価格は決して安くありませんが、3年間の品質保証(中材のみ)、そして30日間のお試し期間が用意されているので、納得した上で末永く使える良品となっています。
シングル(幅100cm) |
66,000円(税込) |
---|---|
セミダブル(幅120cm) |
79,200円(税込) |
ダブル(幅140cm) |
92,400円(税込) |
お試し期間 |
30日間 |
保証期間 |
3年間 |
第2位:雲のやすらぎプレミアム
厚さ17cmの極厚マットレスで、まるで雲の上で寝ているようなフワフワの寝心地を楽しめる高反発力マットレスです。
ニュートン値は150Nととても優秀で、腰、背中、肩などの痛みに悩んでいる人との相性バッチリ。
体に負担がかかりにくく、自然な寝姿勢をキープするための5層構造になっているので、腰痛だけでなく寝ても疲れが取れない人、ぐっすりと眠れない人にも試してほしいマットレスです。
さらに防ダニ・抗菌・防臭加工が施されているので、衛生面もバッチリなのが嬉しいポイント。
100日間のお試し期間が用意されているので、自宅で実際にじっくりと横になってみて、購入するのか返品するのかを判断できるのは大きなメリットになります。
シングル(幅100cm) |
39,800円(税込) |
---|---|
セミダブル(幅120cm) |
49,800円(税込) |
ダブル(幅140cm) |
59,800円(税込) |
返金保証期間 |
100日間(公式サイトから購入した場合のみ) |
第1位:モットン
腰痛対策のために開発された高反発力マットレスで、かなりしっかりとした固さ・寝心地を楽しめるのが特徴です。
体の沈み込みを適度なものにし、寝返りが打ちやすくなっているので腰痛対策の条件をしっかりとクリア。
3種類の固さが用意されているので、好みに合わせて選べるのもワンポイントです。
ソフト |
140N |
---|---|
レギュラー |
170N |
ハード |
280N |
せんべい布団に慣れていると「ある程度固くないと寝付きが悪い!」という人もいますが、モットンはしっかり硬めなので満足できるでしょう。
モットンは90日間のお試し期間を用意しているので、たっぷりと寝心地を試した上で購入を検討できます。
シングル(幅97cm) |
39,800円(税込) |
---|---|
セミダブル(幅120cm) |
49,800円(税込) |
ダブル(幅140cm) |
59,800円(税込) |
返金保証期間 |
90日間 |
せんべい布団に関するよくある質問・疑問
ここからは、せんべい布団に関するよくある質問に対する回答を紹介します。
使い方やお手入れ方法、ちょっとした知恵などがわかるので、せんべい布団についての素朴な疑問点を解決してしまいましょう。
赤ちゃんを寝かせるのにせんべい布団が良いって本当?
赤ちゃんを寝かせるのに硬めのせんべい布団は寝返りがしやすくなって良いと言われています。
体が沈み込みにくくなって、寝返りがしやすくなり、窒息のリスクも軽減できます。
最近では、赤ちゃん専用のせんべい布団を販売しているところもあります。
・洛中高岡屋「せんべい座布団」
赤ちゃんが沈まなくなるような固い布団を使ってみると良いでしょう。
赤ちゃん用のせんべい布団はいつまで使って良いの?
赤ちゃん用のせんべい布団は、赤ちゃんの成長やお昼寝の頻度合わせて、1歳〜3歳ころまで使い続けられます。
お昼寝しなくなった頃合いを見計らって、赤ちゃんの体格や寝心地に合わせた一般的な敷き布団に切り替えるのがおすすめです。
長期使用でへたってしまったせんべい布団は復活させられるの?
長期使用でへたってしまったせんべい布団は、以下の方法で復活させることができます。
- 布団叩きやコロコロでゴミやホコリを取り除く
- 天日干しや扇風機・布団乾燥機で湿気を飛ばす
- せんべい布団を丸めて、数時間置く
ただし、激安製品で使用されているような化学繊維が使われていたり、あまりにも長期間使用し続けた場合は復活しません。
上記の方法で復活しない場合は、買い替えを検討しましょう。
せんべい布団を2枚重ねて使っても大丈夫?
せんべい布団を2枚重ねて使うことは、基本的には問題ありません。
ただし、2枚重ねることで、寝返りがしにくくなる可能性があるため、注意が必要です。
2枚重ねることで、布団が厚くなり、通気性が悪くなってカビの原因になることもあるので、重ねて使用する際は通気性の確保や定期的に天日干し等で乾燥させるようにしてください。
まとめ
今回はせんべい布団が腰痛に良いと言われている理由、そして腰痛対策におすすめのマットレスなどを紹介しました。
最後にもう一度内容をおさらいしましょう。
- せんべい布団が腰痛に良いとされるのは寝返りを打ちやすいから
- 硬い布団で寝ると体にかかる負担が大きいので人によっては腰痛が悪化する可能性もある
- 腰痛対策に効果的な高反発力マットレスを購入するのがベスト!
以上3つが本記事のポイントになります。
「寝起きの腰痛がつらい」
「腰痛に良い布団やマットレスがほしい」
といった人は、ぜひこの記事を参考にして、腰痛対策効果の高い高反発力マットレスを試してみて、腰痛や肩こりに悩まされない元気な体を目指してくださいね。